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こちらは「洋画レビュー」のpage3です。
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新旧入り混じった構成になっています。好きなシーンをボールペンでイラストにしてみました。
イラストをクリックすると少し大きなものがご覧頂けます。
文中、敬称は略させて頂いてます。よろしくご了承ください。


「オルガミ〜罠」監督◇キム・ソンホン
 「冬のソナタ」では涙の女王で知られるチェ・ジウがその前(1997年公開)に
 映画初出演した本作では絶叫(時にはヒステリックに)の女王となっている。3
 0年も母一人で育てた息子の嫁にチェ・ジウがやってくる。そこからの展開はレ
 ディコミのより過激な嫁姑の争いが描かれるのだが。同居が普通な国ではどこで
 もこんな問題が孕んでいる、という面白さもある。嫁だって負けてはいないのだ
 が、それがかえって姑の嫉妬心に火を付ける結果を呼ぶ。後半はサイコスリラー
 だが、ストレートに話が進み分かりやすくていいと思う。特にエンディングは韓
 国ならではの思想が背景にある。ハリウッド式にしなかった事で家族ドラマとし
 て終えた。この作品でチェ・ジウは韓国の映画賞で新人賞を取っている。好演。
 


「ワイルド・スピード」監督◇ロブ・コーエン
 「リディック」が公開され(04年8月)益々ダーティーヒーローに磨きがかかっ
 たヴィン・ディーゼルをブレイクさせたのが本作。「ワイルド・スピード」だ。
 しかしこの映画の主役は彼ではない。ましてやポール・ウォーカーでもない。只
 突っ走るだけの車だ。エンジンが回る。ガソリンが燃える。ニトロまで噴射させ
 る。たったそれだけの事で血が騒いでしまうのだ。いかに男は車が好きかという
 のを改めて認識させられる。そんな中にあって、トラックジャックを探るために
 潜入した警察官がやがてストリートレースに魅入られ、目星を付けた相手と不思
 議な友情を育むというありきたりなストーリーさえかっこいいと思わせるのだ。
 「THE FAST AND THE FURIOUS」


「イルマーレ」監督◇イ・ヒョンスン
 「猟奇的な彼女」のチョン・ジヒョンが「猟奇的…」の前に主演した韓国映画。
 世間的な評価は必ずしも高くないが、私的には好きな映画。今の日本で流行って
 いる韓国ドラマほどドラマチックには話は進まない。実にゆったりと時が流れる。
 それはそうだ。二人の手紙のやりとりには2年という時が間にあるのだから。海
 辺の家「イルマーレ」を離れる時に転居先に大事な手紙を転送してくれるように
 ポストにいれた手紙が届いたのは新築されたばかりの2年前のポスト。そこから
 二人の不思議な手紙のやりとりが始まるのだが、絵画的な映像がとても綺麗で心
 に染みてくる。2年という微妙な時間のずれが新鮮で、予想通りの展開でもOK。
 「Il Mare」


「タイタニック」監督◇ジェームズ・キャメロン
 タイタニック映画では他にジョージ・C・スコットのテレビ映画「ザ・タイタニ
 ック」がある。これはドキュメンタリータッチの作品。きちんと最後まで演奏し
 続けるバンドのエピソードも描かれてる。異色なモノには「レイズ・ザ・タイタ
 ニック」という、沈没したタイタニックを引き揚げるという途方もない映画があ
 った。まだどこにどんな風に沈んでるか謎だった時代に制作されたので、船はふ
 たつに折れてなく、原形を留めていたと記憶している。で、この映画。3時間を
 超えても画面に釘付けにさせたままの演出はさすがだ。ローズが始めからたくま
 しくて、ジャックの助けがなくても生き延びていけそうなのがキャメロン印だ。
 「TITANIC」


「アザーズ」監督◇アレハンドロ・アメナーバル
 夏にピッタリ。正統的な怪談話である。1945年、イギリス。戦地から夫が帰っ
 てくるのを二人の子供と待っている美しい夫人。彼女の子供達は日の光を浴びる
 と死んでしまう病に掛かっていて、カーテンはいつも閉ざされ、扉もきっちり閉
 められている。そこに3人の新たな召し使いがやって来た事で屋敷の中で奇妙な
 事が次々起こり始める。誰もいないはずの部屋から聞こえるピアノの音や泣き声。
 「何か」がその屋敷にいる気配が感じられるのだ。まだ未見の方の為にここまで
 しか書けません。怪談話が好きでまだ本作を見てない方、お薦めです。それにし
 てもニコール・キッドマンの病的な美しさにくらくらする。脚本もなかなか良い。
 「the Others」


「ラブストーリー」監督◇クァク・ジェヨン
 この映画好きだな。恋をする事の切なさ、相手を思いやり愛する事、辛い事があ
 っても生きて行く希望、そんなものが溢れた世界が描かれている。「猟奇的…」
 の監督なので展開は予測出来るが、それにあえて浸ってみたい。先輩に恋するジ
 ヘは旅行に出かけた母あての手紙と1冊の日記を読む。亡き父の名前で届けられ
 た中身は別の男性からの手紙。母(二役)の切なく素敵な恋の物語が紐解かれる。
 母の時代と娘の恋物語、上手くまとめられている。「猟奇的…」と共に雨のシー
 ンが非常に印象的、効果的に使われている。女優さんの魅力を十分に引き出す演
 出の見事さは相変わらずだ。二役共に魅力溢れた女性像を演じたソン・イェジン。
 「THE CLASSIC」


「ドリームキャッチャー」監督◇ローレンス・カスダン
 おそらくは少年時代の話だけで1本の映画が作れただろう。逆に言えば説明不足
 の映画とも言える。キング原作の小説を読んでいなかったので後になって赤い物
 がカビだと分かったし、それによって異星人が苦しんでいるという設定も分かっ
 た。ダディッツとの結び付きの深さもこちらで想像するしかなかったのだ。25年
 も異星人と闘い続けても誰にも知られないとか、いいかげんな箇所もあるが全体
 には良く出来ている。恐くはないが十分楽しめた。モーガン・フリーマンが出演
 すると雰囲気が格調高くなるのが不思議だ。いい夢はそのまま通し、悪夢だけを
 絡め取る蜘蛛の巣を「ドリームキャッチャー」と言い伝えるのがカナダ先住民。
 「Dreamcatcher」


「IT(イット)原作◇スティーブン・キング
 恐怖が本当の「実体」を現わした時には逆に恐くなくなってしまうという悪い典
 型の代表作と言える。6人の子供達がその恐怖と闘った異常な体験から30年経ち
 再びその恐怖が町に姿を現わした。過去のトラウマと闘いながらもう一度自分が
 生まれ育った町へと帰ってきた仲間達。今度こそ、その恐怖を封印するために。
 テレビ映画のために187分という長尺。かつてビデオで見た時に前編の恐怖に惹
 きつけられ、後編でものの見事にずっこけた。DVDで再鑑賞した時に「両面」の
 文字に気が付かずそのまま再生。おかしいなと思いつつも見続け、ラストでよう
 やく後編だったと気付くお粗末さ。ピエロのままでいてくれた方が恐かったが。
 「IT」


「ふしぎの国のアリス」原作◇ルイス・キャロル
 有名も有名すぎると、実は逆に見てなかったりするものだ。ご多聞にもれず、か
 くいう私もきちんと鑑賞したのは最近になってからなのだが。アリスって巻き込
 まれタイプのヒロインかと思ってたら違うんですね。むちゃくちゃわがままなの
 でした。自分の世界だから、それでいいんだろうけど、笑ってしまうほどわがま
 ま。これじゃトランプの女王さまがかんかんに怒るのも仕方ない。現実世界でも
 子供相手では歯が立たない。可愛い女の子なら尚の事だ。そういう毒も実はこの
 作品には散りばめられている。目まぐるしい展開に子供のみならず大人も惹き付
 けられるが、あっという間に肝心のアリスは自分の世界に戻って行ってしまう。
 「ALICE IN WONDERLAND」


「ことの終わり」監督◇ニール・ジョーダン
 タイトルから想像される通り、情事の物語である。ヌードシーンもあり、そこか
 らバカな映倫はR15指定にしている。これこそは多感な中学生に見せるべき映画
 なのに。愛とは何か。神とは何かを考えさせられるのだ。雨降るロンドンで作家
 が再会したのは、かつて自分が愛し情事を重ねた女性の夫。大戦中、爆撃の中で
 も愛しあった二人。しかし突然の女性からの別離。それから2年後の事だった。
 情事を巡る愛憎劇から謎解きに展開。やがて一つの秘密と奇跡が姿を現わす頃に
 は、この映画の虜になってしまっている。ジュリアン・ムーアは「ハンニバル」
 のクラリスよりも遥かに素晴らしい。深い愛情が夫、妻、その愛人に漂う映画。
 「THE END OF THE AFFAIR」


「セックス・アンド・ザ・シティ」制作◇ダーレン・スター
 1998年にアメリカで放送され、すぐ人気シリーズになった本作。DVDでは3〜4
 枚組で各シーズンごとに発売されている。NYを愛しNYに住みNYから離れられな
 い女性4人の姿を通して描かれるのはニューヨーク。シーズン4まで見たが、パワ
 ーダウンは仕方がないか。お薦めは1と2のシーズンである。男でありながら彼女
 たちの男性観や遍歴には爆笑もさせられ、ニヤリともしてしまう。赤裸々なエッ
 チ(この表現がピッタリ)なコメディとして楽しむのもよし、お洒落な4人のファ
 ッションを見て楽しむのもよし、笑いに隠れた、いつまでも恋したい女心にほろっ
 とさせられるのもいい。どこでも男はだらしない生き物なのは間違いないらしい。
 「SEX AND THE CITY」


「ハリウッド的殺人事件」監督◇ロン・シェルトン
 よく言えば「ハリウッド映画」は幅が広い。「これは絶対に面白いって」と人に
 お薦め出来る作品ばかりを製作している訳じゃない。この映画、実にどうでもい
 いんである。目新しいと言えば副業に精を出すロス市警の姿が描かれてる所か。
 新人刑事を指導する話でもない。どこにでも転がってる殺人事件と、殉職した父
 の事件が軽〜く映画になっている。それをハリソン・フォードとジョシュ・ハー
 トネットの豪華スターを使って。正に老体に鞭打つが如くH・フォードが転ぶ、
 走る、ガキチャリでドアにぶつかる。ついでにラブシーンもあったりする。こう
 いう息抜き企画に大金をつぎ込めるハリウッドって一体どんな世界なんだろう。
 「HOLLYWOOD HOMICIDE」 


「デッドゾーン」監督◇デビッド・クローネンバーグ
 S・キング原作による映像化で数少ない成功作。というより私的には原作よりも
 好きだ。結婚間近の高校教師が交通事故に遭い5年後に目覚める。婚約者も全て
 失った彼にはたった一つ得たモノがある。「触れる」事でその過去が読めたり、
 未来が見えるのだ。上院議員候補の男に触れた時、彼がやがて大統領になり恐怖
 の決断をする姿も見てしまう。力を持つ事で孤独に追い込まれる主人公の姿をカ
 メラは追う。原作では議員候補の姿を饒舌に語り過ぎているが、映画ではそれを
 ばっさり切る事でシンプルな展開になった。主演クリストファー・ウォーケンの
 孤独な瞳はいつまでも忘れられない。未来は予知すれば変えられるのだろうか。
 「THE DEAD ZONE」 


「誘惑のシネマ」◇アンソロジー
 PLAYBOYが編集したハリウッド映画の創世記から現在に至るまでの映画における
 SEXシーンを真剣に分析したもの。正にクラシック映画から実に約100タイトル
 から官能シーンを抜き出している。日本がそういったシーンに立遅れているかと
 思っていたら、実は本場アメリカにおいても時代や歴史で数多くの規制を受けて
 来ている。胸を切り裂くという暴力シーンには寛容でありながら、SEXについて
 は非常に臆病に規制されている。しかしどんなに規制されてもSEXが映画にもた
 らす利益を業界は見逃す事はなく、現在に繋がっているのだ。極めて私的な事を
 覗き見る事がその基本となっている。「氷の微笑」の有名シーンは収録されない。
 「SEX AT 24」 


「コール」監督◇ルイス・マンドーキ
 幸せな三人家族を襲ったのは誘拐。それも三人別々に。30分ごとの連絡が途絶え
 れば娘は死ぬ。画面に映るだけで異様な存在感を示すダコタ・ファニングに対し、
 この映画は私のもの!と言わんばかりに、シャーリーズ・セロンが身体を張った
 演技を見せる。ポケベル(だと思うが)、携帯、モバイルなどがフルに活用され
 るが、期限24時間や娘の喘息など活かし切れていないのが残念。これを言ったら
 お終いだが、ラストでどれだけの人が怪我をし、あるいは死んだのか。そんな事
 を考えてしまう。過去にその手口で何度も成功したという理由が不明。犯人の顔
 を見ているしお金を受け取れば成功というのは甘い。関係の強制が理由なのか?
 「TRAPPED」 


「アンダーワールド」監督◇レン・ワイズマン
 何世紀にも渡る吸血鬼(バンパイア)と狼男(ライカン)との闘い。セリーンは
 ライカンを殺しまわる処刑人。銀(狼男への変身を防ぐ)を仕込んだ弾丸を二丁
 拳銃でぶっ放す!ハンガリーで撮られたダークな街並。テンポの良い映像。やは
 り監督はMTV出身だったのだ。しかも映画は初!いかにセリーンをカッコ良く撮
 るかを考えた映像に酔う。ボディに貼り付くレザースーツが闇に鈍い光を放つ。
 ストーリーも実に単純明快と言えるが正義か悪かは無意味なのだ。争いの元とは
 得てしてこんな事だったりする。それが多くの血を流し、命が消えていったとし
 ても今更止められない。ラスト含みを持たせたと思ったら今夏続編公開らしい。
 「UNDERWORLD」 


「トゥームレイダー2」監督◇ヤン・デ・ボン
 あれ?ララ・クロフトってこんなにガンをぶっ放す(殺す)キャラクターだった
 の?ゲームを知らないからよく分らないけど、こんなに人を殺してもいいわけ?
 いくらMi-6の依頼とはいえ、007じゃないんだから「殺しのライセンス」はも
 らってないだろう。少なくとも他国でそんなにバンバン殺しちゃ、殺人犯だと思
 う。ピラミッドよりも大きな発見とか言いながらも、遺跡を破壊しちゃうし。前
 作よりも遥かにアクションを重視しているし、それは確かに成功している。スカ
 イダイビングには胸踊る。が、同時に普通のアクション映画になってしまった事
 も確かだ。宝探しの謎に深みが欲しい。A・ジョリーは素晴らしくぴったりの役。
 LARA CROFT TOMB RAIDER :THE CRADLE OF LIFE


「リトル・ロマンス」監督◇ジョージ・ロイ・ヒル
 「明日に向って撃て!」「スティング」で有名なジョージ・ロイ・ヒル(2002
 没)の監督作。1979年公開。ヒロインのダイアン・レインはこれが映画デビュ
 ー作。老人の戯れ言「ベニスのためいき橋で夕陽が沈む時にキスをした恋人同士
 は永遠に結ばれる」というサンセット・キスを目指して13才の二人がベニスへ向
 かう。パリで出会ったアメリカ人の少女の帰国が迫ったからだ。老人は詐欺師。
 二人が心配になり付いていく。この二人、共に天才的なIQの持ち主。だからこそ
 行動を起こすのだ。伝説を信じて。ウソでもそれを自分達が伝説に変えてしまう、
 そんな気持ちで。再び逢う事はたとえ叶わなくても心は繋がっている事の証明に。
 「A Little Romance」


「スパイダーマン」監督◇サム・ライミ
 2004年、夏にパート2の公開が予定されている。アメコミのヒーローがくもの
 糸でNYを飛び回る。すさまじいスピードで。ただ、私の中のスパイダーマンは
 もっとダークなイメージ。しかも悩みまくり。そこには劇画で読んだイメージが
 色濃く残っているからだ。池上遼一による劇画(途中からあの!平井和正がスト
 ーリーを書いている)でスパイダーマンになってしまった少年の内面を描いた異
 色作。それに比較すると映画では力の使い道に悩みながらも、あっさりとヒーロ
 ーへの道を選ぶ。この手の映画であまり悩まれても困るのだが。ヒーロー物に不
 可欠な敵役を嬉々として演じているウィレム・デフォーが目立つ。M.J.は??
 「SPIDER-MAN」


「セイ・エニシング」監督◇キャメロン・クロウ
 「バニラ・スカイ」「ザ・エージェント」「あの頃 ペニーレインと」(名作!)
 で知られるキャメロン・クロウの初監督作品。若きジョン・キューザック主演。
 キックボクサーを目指す、世間的にはうだつの上がらない青年が学校一の秀才で
 美しい少女に恋をする。しかしこの男、ものすごく良い奴で女友達からの信望も
 厚い。傷付くだけよ、と言いながらも応援してしまうのだ。切ないけれども爽や
 かな映画。父親の事で深く傷付いた少女の家の前で、朝もやに包まれながらラジ
 カセをかけるこのシーンが秀逸で印象深い。アメリカの青春映画には「アメ車」
 は付き物で、あのゴロゴロ鳴るマフラーの音も素敵なBGMとさえなってしまう。
 「say anything...」



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