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こちらは「洋画レビュー」のpage6です。
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新旧入り混じった構成になっています。好きなシーンをボールペンでイラストにしてみました。
イラストをクリックすると少し大きなものがご覧頂けます。
文中、敬称は略させて頂いてます。よろしくご了承ください。


「セルラー」監督◇デビッド・R・エリス
 とは言っても原案はラリー・コーエン。実にすっきりとした快作。突然拉致監禁
 された人妻の女性教師。隙を見て、壊された電話のコードを接触させ偶然繋がっ
 たのはナンパに夢中の青年の携帯電話。最初は信じなかったが電話の向こうでの
 緊迫した空気に右往左往しながら彼女を救出する羽目に。何故彼女が狙われたの
 かその謎が分ると、二重のサスペンスとなっていく展開。典型的なお人好し巻き
 込まれ型主人公だが、笑いを取りながらその懸命さにこちらも応援する。繰り返
 されるギャグに一息を吐いてはカーアクションへとなだれ込む。味方となる定年
 を前にした警察官はその後、ちゃんとスパを開業出来たのかが気になってしまう。
「CELLULAR」


「THE JUON(呪怨)」監督◇清水崇
 留学生のカレンは痴呆症の米国人女性の住む一軒の家を介護の為に訪れる。そこ
 に漂う無気味な空気は、その家に関わった人間すべてを呪い殺すものだった。か
 つてその家に住んでいた伽耶子、俊雄の母子の死が全ての始まりだった-。数ある
 「呪怨」シリーズの中から劇場版第一作を清水監督自らがハリウッド映画として
 リメーク。時間軸のいじりを極力減らし、伽耶子、俊雄の死の瞬間を具体的に描
 く事で非常に分かりやすくなっている。これなら初見でも理解する事も可能だろ
 う。その分わけの分らない恐怖感が減ってしまったのは仕方がない。あくまでも
 日本を舞台にした洋画と見るべきなのだから。米国人の素直な感想が聞きたい。
「THE GRUDGE」


「サスペリア」監督◇ダリオ・アルジェント
 言わずと知れた美少女(好みは別れる…。わたしの好みではない)ホラーのジャ
 ンル(虐められるという快感?)を生み出したとも言える、28年も前に作られた
 傑作。これを見てホラー映画が好きになったと言っても過言ではない。その魅力
 は、まず音楽!ゴブリンのどうしようもなく不安感を煽るシンセサイザーのスコ
 ア。そしてやたらと綺麗な映像。その極彩色は飛び散る鮮血でさえ立派な美術作
 品と言える。不安にさせる。驚かす。追い詰める。そして残酷な死。これはスク
 リーンの向こうの遠い出来事。それを自覚させてくれるからこそ素晴らしいのだ。
 英語音声のみDTS収録になったので2枚目の「サスペリア」が我が家に訪れた。
「SUSPIRIA」


「マイ・ボディガード」監督◇トニー・スコット
 米軍の対テロ部隊に所属し暗殺などにも関わって来た男。心も身体も深く傷付き
 かつての上司のいるメキシコを訪れる。そこで彼の経歴を買われ誘拐ビジネスの
 はびこる街で少女のボディガードをする事になってしまう。ビジネスとして少女
 と向き合うつもりがいつの間にか少女が心に深く入り込んで来る。ピアノ教室へ
 の帰り不自然なパトカーの動き、そして事態は最悪の方向へと向かって行く-。
 甘い邦題に騙されると大火傷する。何と言っても原題は「MAN ON FIRE」なのだ
 から。壮絶な復讐にはもはや何の感情も入らない。ただ誘拐ビジネスの組織すべ
 てを叩き潰す事だけが目的。巨大な組織の裏に何があろうと悲劇があろうとも。
「MAN ON FIRE」


「ボーン・スプレマシー」監督◇ポール・グリーングラス
 記憶喪失で海に流れ着いた男に次々と刺客が差し向けられる、というのが前作。
 そこで巻き添えとなった女性の元へ帰るというロマンスを入れた事で甘々な映画
 だったが続編では上手く話を繋げながら、甘さを排除し前作よりも格段に出来が
 良くなった。CIAの暗殺部門さえ受け持つ特殊工作員としての記憶が曖昧なまま、
 自分の存在を利用されながら命を狙われる。忍者モノで言うと「抜忍」なのだ。
 秘密の組織からも狙われ国家からも狙われ、各国の警察からも追われる。それを
 どうかわすかが最大の見物。カーチェイスがとんでもない迫力。車体上部に運転
 席を作りマット・デイモンは実際には運転しない。そのリアルさが凄い。蘇る記
 憶で要人暗殺の任務という決して正義の味方ではなかった主人公の苦悩も描く。
「THE BOURNE SUPREMACY」


「ICHIGEKI 一撃」監督◇レオン・ポーチ
 スティーブン・セガール様の映画である。だから相手がどんなに強くても平気。
 ちょいっと手首を捻れば敵は倒れる。向こうがフェンシングで来ればこちらは西
 洋の刀だ。あえて説明しなくてもセガールが政府の元秘密エージェントである事
 は周知の事実。今回、ポーランドの孤児院の少女と文通しているが突然その少女
 が消息を断つ。調べてみると国際的な少女人身売買の組織がある事が分りセガー
 ルは組織壊滅と少女救出に向かう。驚くべき事に架空の国ではなく実在の国の大
 使館が事件に関わっているかのような描写。そんな事は全く気にしていないセガ
 ール。それでも憎めないのは少し年を重ねた(特に髪の毛)セガールの姿のせい。
「OUT OF REACH」


「ロッキー」監督◇ジョン・G・アビルドセン
 あまりにも有名な映画なので今更ストーリーは追わない。アンコール上映で初め
 てこの映画を見たのは遥か昔。人生の中での最高の1本に入る。ファイトシーン
 のいかにもアメリカちっくな演出にも胸が踊ったが、一番好きなシーンはまだチ
 ンピラだったロッキーが恋焦がれるエイドリアンをようやくスケートに誘い出し
 た所。エイドリアンにスケートを履かせて自分はその横を走りながら語る。それ
 と世界チャンピオンとの試合が決まり、早朝のトレーニングを始める所。生卵を
 いくつも割ってグラスで飲み、まだ眠りから明け切らない街を走り出す。横腹を
 押さえながら。だからこそ後半のビル・コンティの音楽が生きて来る。お見事。
「ROCKY」


「ターンレフト・ターンライト」監督◇ジョニー・トー
 彼が右に曲がれば彼女が左に曲がる。そうして同じ場所、同じ時間にいながらも
 すれ違い続ける二人。それが子供時代に出逢った運命の二人だったとしても。一
 旦は出逢っても電話番号のメモを二人して雨に濡らして読めなくなってしまう。
 そこにそれぞれに想いを寄せる別の二人が現れすれ違いドラマを盛り上げる。た
 だひたすらにロマンチックな映画に浸れれば面白い。が!そこまで逢えない二人
 のラストはどんなロマンチックな再会があるのかと思えば…。これはかなりがっ
 かりさせられた。もう少し練られるべきだったと思う。台湾の街並がドラマの背
 景にマッチ。「再見」に続いて見たジジ・リョンは本当に綺麗で可愛い女性だ。
「向左走・向右走 TURN LEFT, TURN RIGHT」


「コニー&カーラ」監督◇マイケル・レンベック
 幼友達のコニーとカーラはいつも二人で歌っていた。大人になり年頃を過ぎても
 ディナークラブで拍手をもらえなくても夢だけは持ち続けてステージに立ってい
 た。偶然殺人現場を目撃、被害者がコニーのバッグに麻薬を忍び込ませた為に追
 われる事に。辿り着いたロスでドラッグクイーン(女装ゲイ)としてステージに
 立ち、思わぬ人気を得る事になる-。ゲイに見えてしまう二人のショーマンシッ
 プに溢れたステージ、迫力さえある歌声。本物がそこにあるから最高に楽しい映
 画。追って来る殺し屋が各地のステージを巡るウチに段々、通になっていく面白
 さはそのまま観客とリンクする。コニーのN・バルダロスが脚本を書いている。
「CONNIE &CARLA」


「砂と霧の家」監督◇バディム・パールマン
 イランから亡命した軍人ベラーニは道路工事やドラッグストアで働きながら一家
 のプライドの為に高級マンションに住む。貯蓄も底を尽き始めた時に目を付けた
 のは競売に掛けられた海辺の家。その持ち主は過重に掛けられた税金を滞納した
 ために差し押さえられたキャシー。「家」を巡ってそれぞれの人生が深く絡み合
 う。和解に向きかけた時、キャシーに想いを寄せる警察官の存在が思いも寄らな
 い悲劇へと歯車が回り出す-。J・コネリーが本当にいい女優になった。人生に絶
 望しかけながらぎりぎり踏み止まる女性を好演。「家に迷い込んだ小鳥は神の使
 い。傷付いた小鳥をそっと逃がしてあげよう」という言葉がとても痛い結末…。
「HOUSE of SAND and FOG」


「エイプリルの七面鳥」監督◇ピーター・ホッジス
 今日の感謝祭にはママ達をNYに呼ぶ。ボビーも紹介したいし。七面鳥も手に入れ
 て中に具も詰め込んだ。ボビーが出掛けた後になってオーブンに火が付かない!
 あたしはアパートの部屋を回って色んな人にオーブンを貸して欲しいと頼んだ。
 でも感謝祭に人に貸すオーブンなんてあるはずがない。どうにかしてオーブンを
 借りなきゃ七面鳥が焼けない。ママに食べさせてあげられない。ママ…あたしは
 悪い子だったのかな。いたずらが過ぎたかも知れないけどあたしはこんな風にし
 か生きられないよ。ママ…あたしが差し出した手はいたずらだと思ってた?大好
 きなママ。初めて作った七面鳥を食べて欲しいのに…。誰かオーブンを貸して!
「Pieces of APRIL」


「TAXI NY」監督◇ティム・ストーリー 製作◇リュック・ベッソン
 大ヒットしたフランスの「TAXi」をハリウッドがリメイク。製作はそのままリュ
 ック・ベッソンが引き継いでいる。肝心のタクシー運転手は黒人女性。銀行強盗
 グループはモデル並みの美女4人組。もっとクールに決めていれば敵としては最
 高だったのだが。冒頭のバイシクル・メッセンジャーと運転手とでは体型が違い
 過ぎる。本家はタクシー=フランスのプジョー!敵はドイツのベンツ!だったの
 が、こちらではタクシー=フォード…、敵はBMW新型760!フォードはちょっと
 弱いがNYのタクシーなら仕方ないのだがやはりインパクトに欠ける。本家には勝
 てていないと判定したが。元恋人の女上司の性格が悪過ぎるなど描写に不満が。
「TAXI」


「イン・ザ・カット」監督◇ジェーン・カンピオン
 メグ・ライアン演じる大学講師の女性の孤独と官能を描いた作品。「ピアノ・レ
 ッスン」の監督だがそれ自体を見ていないので、どんな映画作りをしていたのか
 分らない。冒頭の花吹雪など美しい画など日本映画に近いものを感じた。ニコー
 ル・キッドマンが制作に加わっていたり、この監督だったりという事でメグ・ラ
 イアンも大胆なヌードにもなったのだろうが単純に愛と孤独と官能を描けば良か
 ったのでは。猟奇殺人事件にヒロイン自身が巻き込まれていき、くだらないサス
 ペンスになってしまった。わざとらしい射撃練習など雑なストーリー展開にがっ
 かり。官能に目覚めて尚知る孤独感が分るだけに非常に勿体無いメグのヌード。
「IN THE CUT」


「クライモリ」監督◇ロバート・クルツァ
 国道への抜け道の森でパンクした車に激突したもう一台の車。電話を掛ける為に
 民家を捜し森の奥に入っていく4人の若者。残された2人に無気味な気配が忍び
 寄る-。いや〜、久々に心臓がドキドキしました!マジ怖い。何故?というのが
 ない。ただ襲う。ただ殺す。生き延びる為に反逆する。過激な描写も行き過ぎる
 と笑いに移る場合があるが、本作はそこに陥る事もなくハイテンションを維持す
 る。それには尺が84分という絶妙な時間も大きい。これ以上長いと恐怖が薄れる
 だろうから。主演(ヒロイン)のエリザ・ドゥシュクは最近FOXのレンタルDVD
 などに予告編的に1話が収録されている「トゥルー・コーリング」の主演女優。
「WRONG TURN」


「ヴィレッジ」監督◇M・ナイト・シャマラン
 死んだ子供の墓碑に1800年代の刻印。町から薬をもらってくれば助かったかも
 知れない。ここは深い森の中にある小さな村。村の周りは安全な色の「黄色」の
 布で守られている。森には伝説の化け物が存在し、足を踏み入れた者がいると村
 に現れドアに警告の印を残していく。それでも町に行こうと考える青年。彼を愛
 する盲目の少女。少女を愛する知恵遅れの青年(戦場のピアニストの主役!)の
 嫉妬が事件を起こす-。「アンブレイカブル」「サイン」等のハッタリで知られ
 る監督。「シックス・センス」に続くぐらいにこの作品は好き。どう結末を締め
 るのかという期待を裏切らなかった。ただ深く考えると未来が見えないのだが。
「THE ViLLAGE」


「エイリアンvsプレデター」監督◇ポール・W・S・アンダーソン
 「エイリアン」「プレデター」共に番外編に当たる本作はアメコミを原作にして
 いる。そう思えばそれなりにまとまってはいる。どちらとも人類にとっては悪役
 として映画界に君臨しているがそのどちらが強いかという無茶な発想で生まれた
 アイデアなのだろう。2004年の地球、衛星から捉えた南極での異常な熱源。そ
 れを辿ると南極大陸の地下に古代の神殿らしきものが。衛星を所有する企業が調
 査に向かう。明らかにされるのは100年毎の闘いの儀式。リプリーが出て来ない
 のを時代設定で乗り切るが、基本的に闘うヒロインは健在。というより、そこま
 でするか、と思うのだが実はアメコミ原作でもヒロインとタッグを組むのは…。
「ALIEN VS. PREDATOR」


「ツイステッド」監督◇フィリップ・カウフマン
 霧が深く立ちこめるサンフランシスコに無機質に立つゴールデンゲート・ブリッ
 ジ。鈍色の空を飛んでいく鳥たち。それを瞳に映した女性。緊張した肌から汗が
 一雫流れ落ちる。首元に突き付けられたナイフの切っ先…。猟奇的ながらも美し
 いオープニング。しかしその後どんどん失速してしまう。自分が寝た男が次々殺
 される女性捜査官。しかも記憶が定かでない、という設定の為にバーで男を漁る
 主人公に感情移入がしにくい。ここまで病んだ(一部ではあるが)警察の姿を見
 せられてもね、と思う。アシュレイ・ジャッド、サミュエル・L・ジャクソン、ア
 ンディ・ガルシアなど出演者は豪華。犯人はバレバレとしか言いいようがない。
「TWISTED」


「インファナル・アフェア2 無間序曲」監督◇アラン・マック他
 沈滞気味の香港映画界を復活させた「インファナル・アフェア」を3部作とした
 その第2弾。黒社会から警察に潜入したラウ、警察から黒社会に潜入したヤン。
 前作の前日談でその若き姿を描く。その互いのボス、上司とも友情と裏切り、信
 頼、愛が痛く切ない。この第2弾によって実に格調高くなったシリーズは、あの
 名作「ゴッドファーザー」の香港版とさえ言える。10年後のラウがオーディオに
 詳しい理由もここで明かされるなどシリーズへのリンクがしっかりしている。息
 詰まる展開が緻密に計算されているのだ。前作で警察学校での若い二人を演じた
 俳優がそのままラウとヤンを瑞々しく表現。主役は勿論おじさん3人なのだが。
「無間序曲 INFERNAL AFFAIRS 」



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