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こちらは「邦画レビュー」のpage3です。
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 page2は→ page4は→
page5は→ page6は→
新旧入り混じった構成になっています。好きなシーンをボールペンでイラストにしてみました。
イラストをクリックすると少し大きなものがご覧頂けます。
文中、敬称は略させて頂いてます。よろしくご了承ください。


「着信アリ」監督◇三池崇史
 自分の携帯に自分の番号から掛かってくる、三日後の自分が死ぬ時の声。
 それなりに恐いホラーである。しかし勿論「リング」や「呪怨」の亜流で
 ある事には違いない。ヒットさせる亜流を生んでしまう元の映画の凄さを
 改めて思い知らされる。何でもありのホラーとはいえ、現実味を外してし
 まうのはどうだろう?吹石一恵を扱うテレビ番組では当然仮名扱いでない
 とおかしいし、生で目線が入れられないというならカーテンの向こうでな
 いとおかしい。ちょっとした事でリアル感が増す筈。ここまでの絶対に殺
 すという扱いに対し柴咲と堤に対してはご都合主義的過ぎるかも。どうに
 でも取れるラストも個人的には好きじゃない。が、繰り返すが恐いホラー。


「劇場版ポケモン 裂空の訪問者」監督◇湯山邦彦
 今回のポケモン映画は「ゴジラ」だ!ある日、大氷原に宇宙から隕石と共
 地球に落下した「デオキシス」。縄張りを荒されたとオゾン層に住む「レ
 ックウザ」は有無をも言わさず攻撃を仕掛ける!デオキシスは一つの結晶
 体を守るようにしながら闘うがレックウザの圧倒的な破壊力の前に倒され
 てしまう。ポケモンの研究に来ていた博士は残された結晶体を持ち帰り、
 その不思議な再生能力を研究し始める。そして4年後。ハイテク都市「ラ
 ルースシティ」にやって来たサトシとピカチュウたち。そこへ復活したデ
 オキシスが現れ、またそれに引かれるようにレックウザも姿を現わし激し
 い闘いが再び始まる。ね?ゴジラでしょ?でも可愛いポケモンも出るよ!


「ジョゼと虎と魚たち」監督◇犬童一心 自分勝手解釈TO_chan
 昔むかし深い海の底に「ジョゼ」という人魚が住んでいた。そこは光も届
 かない世界だったけどジョゼはそれでもよかった。自分が生きて行くには
 最低限困らなかったし、外の世界の知識は知っていた。それでも時々は外
 の世界の生き物を見たくて、明け方に海から上がる事もあった。そこで出
 逢った青年はズカズカとジョゼの心に入って来た。陸に上がれば人魚の足
 は人間の足に変わるけれど、歩く事は出来ない。ジョゼに恋した青年は彼
 女にもっともっと外の世界を見せてくれた。ジョゼも憎まれ口をききなが
 らも青年を愛し始め、一緒に暮らし始める。そこは海の底でもあり陸上で
 もあり、いつしか二人は息苦しさを感じ始めるのだ。二人は愛を捨てる?


「ひみつの花園」監督◇矢口史靖
 矢口ファンにとっては待ちに待ったDVD化作品なんである。ただ万人にお
 勧めかどうかは微妙だ。タイトルまでの怒濤の勢いに付いていければ楽し
 める事請け負いだが、そこまでで「ん〜〜っ!?」と思ってしまった人は
 そのままのノリで突っ走るので注意が必要。綿密に計算されたチープさ。
 そして目標の為にするのは努力でも何でもないという作品に流れる人生へ
 の姿勢。いや、そこまで大袈裟には叫ばない。淡々と物語は進んで行く。
 お金が大好きな少女がやがて銀行に勤める。そこで銀行強盗の人質となり
 逃亡先の事故で犯人は死ぬ。5億円も焼失というニュースが流れるが生き
 延びた彼女だけが富士樹海の底の湖にお金が眠っている事を知っている。


「油断大敵」監督◇成島出
 役所広司、柄本明の二人の役者が演技の火花を散らしている。そんな日本
 映画だった。地味ながらも生きる素晴らしさを感じさせてくれるのだ。妻
 を亡くし、娘の為に交番勤務から刑事になったが、娘の自転車を直してく
 れた男の持ち歩く道具が気になり職質。男は有名な泥棒、ネコだったのだ。
 取調室での実直な彼の態度が何となく気に入り、自供を始める。実況検分
 では刑事になりたての役所を指導し始める。ユーモラスな中に人生の機微
 がそこにはある。だるま作りの笹野高史(平成中村座でも大活躍)が少し
 のシーンながらも相変わらずいい味を出している。夏川結衣さんも綺麗で
 どきっ。大作ばかりではなくこんな小品にこそ邦画の明日があると思う。


「半落ち」監督◇佐々部清 原作◇横山秀夫
 映画の主題歌の持つ意味は何だろう?と考えさせられた。余韻を吹き飛ば
 す、あの歌い出しはないだろう。一つの楽曲としてはいいのかも知れない
 がエンドロールでは止めて欲しい。アルツハイマーの妻を殺した事は認め
 ながら自首までの二日間については一切話さない。出演者が抑えた演技で
 火花を散らす中、一人の判事が絶叫する。誰よりも冷静であらねばならな
 い判事がである。意図した演出なのか?彼はミスキャストだ。薄っぺらな
 演技としか言えない。家庭にその問題を抱えた判事が扱うべき事件でもな
 いのだが。謎解きと「何を守ろうとしているのか」という深い意味とで見
 応えのある映画だからこそ余韻に浸りたい。だから!あの歌は許せない。


「富江 最終章〜禁断の果実」監督◇中原俊
 菅野美穂主演の第1作は見た。狂気に彩られた怪作だった。バッグの中の
 首だけがけたけたと笑う。以降シリーズ化されたが、興味も無くしていた。
 最近になって宮崎あおいちゃんが出てるのを知ってビデオをレンタルした。
 原作の持つ妖しさ(怪しさ)や強引さが良く出ていたのに驚いた。この世
 界には「何故」がない。首だけでも死なず、幾世代にも渡り生き続けるの
 か。怨念でもなく、勿論愛でもない。言うなれば執着か。その中で宮崎あ
 おいの関わりは異質だ。わがままで生意気な子供を育てる気弱な母親から
 逞しさを増した時その瞳が輝くのだ。そこに「櫻の園」を演出した監督の
 技が冴える。ホラーではなく、にやり笑える所が伊藤潤二の原作らしい。


「嗤う伊右衛門」監督◇蜷川幸雄
 「四谷怪談」を大胆な新解釈でまとめた京極夏彦の小説を映画化した本作。
 愛しあい、相手を思いやる心が強過ぎたために逆に悲劇を招く、というと
 ても悲しい愛の物語。「恨めしい」とは「愛しい」の同義語。愛しいとい
 う気持ちがあってこそ恨めしくなるという切なさに心が傷む。椎名桔平や
 池内博之(彼が実に素晴らしい)、香川照之などの脇の熱演で主演二人の
 抑えた演技を光らせる。ずばっとした物言い、気の強さなどで小雪が新し
 い武家の娘像を作った。舞台演出家らしい様式美は時代劇にこそ活かされ
 ていると思う。ただ、ラストシーンお岩と伊右衛門からカメラを引いて行
 った先には「江戸」の町が広がっていて欲しかった。興醒めしてしまった。


「花と蛇」監督◇石井隆
 杉本彩は頑張っている。身体も綺麗だし。が、それと映画の出来は別物だ。
 タイトルだけでも大人には有名な団鬼六氏の小説が原作。本物のSMを撮る
 という意気込みは映像(花魁からの流れ)においてのみ伝わるが展開はSM
 の本質から離れている。仮面舞踏会(なのにアナウンスされる)までに35
 分は長過ぎる。運転手を殺すと脅されて裸にはならないだろう。ここには
 女性がいなくてはいけない。石橋蓮司演じるヒヒジジイは幸せであった筈
 だからずっと付いていた遠藤憲一が逆上してはいけない。自分が代りに支
 配者となるか、静子に感謝しつつ銃口を向けるべきだ。SMとは切っ掛けが
 凌辱であってもそこから目覚めるのが自我の解放なら屋上シーン以降不要。


「ウォーターボーイズ」監督◇矢口史靖
 今更ながらの「ウォーターボーイズ」だが、テレビシリーズも第2弾が始
 まる事だし取り上げてみた。言わずと知れた妻夫木聡の出世作。彼の演じ
 る、見た目は悪くないのにおどおどしてカッコ良くないキャラの原点。映
 画は矢口ファンとしたらこんなに出来上がっていいのか?との感想を持つ。
 「ひみつの花園」のぬるさが消えてしまったからだ。吉田拓郎が「結婚し
 ようよ」をヒットさせ、違うだろ!と怒ったファンの気持ちに似ていなく
 もない。それほど熱く上手く出来た話だ。特訓が「ベストキッド」っぽく
 笑わせてくれるが、若い出演者達だからこそ完成し得た作品。単純に若い
 っていいな〜と思わせてくれる。男っぽい平山綾が可愛い。玉木宏も良い。


「映画 犬夜叉 天下覇道の剣」監督◇篠原俊哉
 原作コミックやテレビアニメとは別のオリジナルのサイドストーリー。と
 ころが、最近はこういったモノが非常に完成度が高いのである。本筋を知
 っている者が見る、という大前提に立っているので、余計なキャラ紹介も
 いらずスッパリとストーリーに入る。今回は犬夜叉の出生にまつわる秘密
 が語られる。犬夜叉が持つ鉄砕牙、兄、殺生丸が持つ天生牙と新たに最強
 の力を持つ叢雲牙の封印が解かれた事で、引き寄せられるように闘う二人。
 天下を制する剣の謎が犬夜叉と殺生丸の関係を微妙に変えて行く。この話
 の主役はあくまでも殺生丸であり、その為にそぎ落とした桔梗や奈落など
 のキャラクターがいない分わかりやすい展開になっている。面白かった。


「天使の牙 B.T.A.」監督◇西村了
 なんという事を!もったいないオバケが出るぞ!せっかくいい感じで出来
 上がりつつあったアクション映画が台なしだ。萩原健一ってこんなに大根
 だったのか?彼が登場してから一気にトーンダウンするし意味不明になる。
 周りもそれにつられるかの様に学芸会演技が個性的とでも言わんばかりに
 なってしまう(警察幹部)。「フェイス/オフ」的発想がありにしてもオチ
 までそこに持って来てしまったら一気に脱力。主演(絶対)黒谷友香さん
 を今まで女優という評価をしてなかったが、最高にいい!アクション女優
 の誕生と言ってもいい。私的に絶対条件の美しい髪の流れがある。銃を撃
 つ瞬間、火花が飛ぼうが目を瞑らない。しかも動きが実に華麗なのである。


「パコダテ人」監督◇前田哲
 日野ひかる(高1)が、ある朝目覚めるとシッポが生えていた!それをス
 クープされた事で巻き起こる騒動。カミングアウトする事で一躍アイドル
 になってしまうのだが、散々持ち上げといてズッドーンと落とすのがメデ
 ィア。学者の「シッポはキタキツネに似ている」→キタキツネ。「キタキ
 ツネには寄生虫がいる」→感染する。センセショーナルな所だけを報道、
 異なモノを排斥する空気になっても知らんぷりを決め込むマスコミ。そこ
 まで話を踏み込んだ為に逆に中途半端になった感も否めない。「おまけが
 付いただけ。日野ひかるがピノピカルになった」という事でブレイク。函
 館がパコダテ。宮崎あおいちゃんが可愛い。シップ(湿布)→シッポ発想。


「BAYSIDE SHAKEDOWN2〜踊る2」監督◇本広克行
 劇場公開よりも短い120分のインターナショナル版で、巷では白盤と呼ば
 れている。劇場公開版は対して赤盤。組織から弾き出された犯人が組織の
 代表とも言える警察に挑むっぽいのだが。「リーダーが優秀なら組織も悪
 くない」と青島が言うのだが、それではいけないのだ。組織は「全体」で
 あって下っ端が駒の様に使い捨てられるように、トップの人間も組織の為
 には切られる。トップが変わって組織が変わるのは一瞬なのだ、全体の意
 識が変わらない限りは。その意味では沖田の描き方は最悪と言える。高慢
 な女性上司でしかなく、やっぱり女はダメと言わんばかり。沖田の意識の
 変化を描く事が一番重要だと思う。全てを悟ったかの様に和久が去った。


「世界の中心で、愛をさけぶ」監督◇行定勲
 アキ=長澤まさみの笑顔がなければ完成されなかったと思うほど、彼女が
 素晴らしい。最大の讃辞を贈りたい。おそらくはサクに見られたくはなか
 ったであろう姿も「こんなんになっちゃった」と言う健気さ、可愛さ。た
 だ愛おしい。「顔をくしゃくしゃにした笑顔、すぐふくれるけど振り返っ
 たら笑っていてくれる」サク=森山未來クンも物凄くいい。そんな高校時
 代に比べると逆に現代がおとぎ話のように感じてしまえる。映画オリジナ
 ルの律子はアキが生み出した奇跡ととらえよう。冒頭、唐突な涙の意味は
 後半明らかにされる。見終わった後、いつまでも心に残るのはアキの生き
 た時代、アキとサクの笑顔。走る姿、波と戯れる二人。生きたという証し。


「LOVERS' KISS ラヴァーズ・キス」監督◇及川中
 構成は四章から成る。ひと組の高校生が心を込めたキスを交わすまで。そ
 の彼に想いを寄せる下級生。彼女を想う同級生に想いを寄せる彼女の妹。
 その三章が同じ出来事をそれぞれの想いで繰り返し描かれる。つまり、第
 一章を別の視点で描かれるのだ。例えば彼女が彼をぶつ。それを他の人間
 はどう感じるか。一つの出来事も見方が変われば意味も又変わる。改めて
 第一章に深みが与えられる。第四章はそこから結末まで、六人の登場人物
 の心を繊細に描き出して、それぞれ一歩進ませるのだ。六人共が良い。平
 山綾は目が大きいだけの子かと思っていたらとんでもない。実に繊細な演
 技をする女優さん。石垣佑磨は上手とは言えないが独自の存在感を表現。


「仮面ライダー 555 劇場版」監督◇田崎竜太
 テレビでのキャラクター設定を活かしながらも、全く別物の映画を作り上
 げるという荒技を出した、本作。これはもはや子供を相手に作っていない。
 そもそも平成仮面ライダーシリーズは、かつて仮面ライダーで育った今の
 大人を対象にして製作されている。子供番組という仮面をかぶって。それ
 が顕著に現れたのがこの「555」。ここには明確な善と悪がいない。力の
 ある者がベルトを手にすれば、誰もが仮面ライダーになれる。敵役のオル
 フェノク(人類の進化形)がベルトを巻けば仮面ライダーになり、主役の
 「555」ですら、実はオルフェノクであり、その姿で仮面ライダーと闘う。
 絶対的な正義など存在しないこの現代を象徴するかのように。力が正義?


「スカイハイ 劇場版」監督◇北村龍平
 「あずみ」の監督らしく、剣を使ったアクション映画に生まれ変わってい
 る。が、テレビ版(若しくはコミック)で見ている事が大前提になってい
 るので、何も知らなければ「怨みの門」について語られないので苦しいか。
 テレビの延長の設定のため、それが後々ストーリーをも苦しめる。前世で
 イズコを経験した者がこんなに沢山いる、って変。ただ現在のイズコは非
 常にコミックの印象に近いように感じる。衣装も実にシンプル。尺は長い。
 テレビで前後編ならいいが、一気に見せるには中盤だれてしまう。そこに
 前世イズコのムダがある。つたない剣さばきをカメラワークでかっこよく
 見せるテクニックはさすがだ。イラストは珍しく左手の「お逝きなさい」。


「g@me」監督◇井坂聡
 いかにもフジテレビ制作らしいバブリーなオープニング。稼いだ分は使う
 って、いくら電通が制作に絡んでるからって広告代理店の一介の社員にそ
 んな収入があるんかい、と思ったら、どうも彼はゲームを制作したらしく
 その収入があるんだろう。後半、急展開し一気にそのまま突っ走ってくれ
 れば話はもっと面白くなったと思うのだが、その後二転三転どころか 四、
 五、六転ぐらいまでしてしまい、逆に緊張感を失う。ラスト仲間由紀恵の
 選択がそれであるなら、真実を公にする事でしか魂は救われないと思う。
 その後に続く藤木直人のシーンで冒頭のバブリーな、文字通り泡のような
 物語になってしまう。眉目麗しい仲間由紀恵さんを堪能できる映画である。


「がんばっていきまっしょい」監督◇磯村一路
 女優「田中麗奈」のデビュー作である。まだ子供こどもしている。が、「
 はつ恋」でも書いたようにどこにでもある日常会話の良さは既に発揮され
 ている。台本の存在を感じさせない所が凄い。1976年、四国、松山。高
 校に入学し勇んでボート部に入るものの、女子部がない。そこで仲間をか
 き集め、なんとか女子ボート部を作る。しかし決してやる気があるとは言
 えないメンバーたち。普通の女子高生たちの頑張り、陽だけでなく陰の姿
 も描いている所が印象深い。頑張った末の故障。それでも頑張るのは自分
 に何かを残したいからなのか。瀬戸内海の美しい風景にボートが進んでい
 く。陰の部分として雪の降る日のこの表情を選んでみた。中嶋朋子も好演。



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