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こちらは「邦画レビュー」のpage4です。
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新旧入り混じった構成になっています。好きなシーンをボールペンでイラストにしてみました。
イラストをクリックすると少し大きなものがご覧頂けます。
文中、敬称は略させて頂いてます。よろしくご了承ください。


「下妻物語」監督◇中島哲也
 笑って笑ってほろっとして、笑って笑ってジ〜ンと来る、そんな素敵な日
 本映画の大傑作!仏語の「超カワイイ」で爆笑!映像も凝っているが郊外
 を狙って店鋪展開するジャスコや、ヴェル××チ(バッタモン)など次々
 に飛び出て来る馴染みのある名前に爆笑。関西、尼崎の描き方のベタさが
 終盤の展開に大きな意味を持たせる。それを引っ張る個性豊かな役者に囲
 まれて、益々深田様と土屋アンナちゃんの熱演が光って来るのだ。キャラ
 の立て方が素晴らしくて、まるで噛み合ってない二人がいつしか自然にお
 互いを必要として来る描写にこんな「ダチ」が欲しいと思わせる。深田様
 の女優姿に改めて感動。アンナちゃんの産後即復帰を強く熱望してしまう。


「偶然にも最悪な少年」監督◇グ・スーヨン
 バカという狂気の分厚い殻に隠された「核」。そこには優しさが存在して
 いる。それに気が付いてるからこそ本作は若者たちにカルト的人気を持つ
 のだろう。僕は誰だろうか?怯えて発砲する警官か。分かった顔で付き合
 ってしまうチーマーか。主役の二人でない事は確かだ。監督はCMで才能を
 発揮しているが、彼の演出によって考えられない「間」が生まれている。
 市原隼人のカクカクっとした動き、中島美嘉の心がトンでる無表情さ。矢
 沢心の死体演技。13才未満は親と一緒に鑑賞して下さいとあるが、子供と
 一緒に見る親はいないはずだ。何故姉ちゃんと下着でいるのか、なんて聞
 かれたらどう答える?無意味な制限である。蒼井優もちょい役だが印象的。


「ラブドガン」監督◇渡辺謙作
 宮崎あおい以外見るもののない映画。彼女が出て来るシーンだけで作り直
 して欲しい、正直。この映画の主役は何か。それはずばり「銃〜GUN」だ。
 ならばもっとぞくぞくする色気を持った、狂気を放つ銃の画を撮るべきで
 ただ「紅い」というだけでは。妖刀村正の光が欲しい。永瀬正敏が何喋っ
 てるかまるで分らず。オープニングで面白く無さそうと思わせてどうする

 
の?それが宮崎あおいの登場シーンで一気に興味が湧いて来る。永瀬との
 出会いのシーンも秀逸。画面に出て来るだけで話そのものが締まって思え
 るから不思議だ。ただ、いすに座っているだけでいい。だからこそもっと
 存在感を活かして欲しかった。本筋の言いたい事は分るがつまらなさ過ぎ。


「CASSHERN」監督◇紀里谷和明
 「キャシャーンがやらねば誰がやる」の竜の子アニメをよくここまで大胆
 に解釈したものだ。不覚にも(!)涙溢れる一歩手前まで行ってしまった。
 劇場公開時には必ずしも芳しい評判ばかりではなかったのだが、やはり自
 分で見るのが一番。かなりお気に入り。アニメやCGを多用と言うよりも、
 その中に生身の人間が入り込んでいて、これは演じる方は確かに大変だっ

 
ただろうと思われるが皆さん実に良い。一番心配だったルナの麻生久美子、
 ミッチー、寺尾聡、樋口可南子、唐沢寿明、遺作となった三橋達也氏。他
 多くの俳優が素晴らしい。長尺なのが欠点か。アニメのキャシャーンのマ
 スクが使用されなかった理由は映像で説明される。それで正解だったろう。


「チルソクの夏」監督◇佐々部清(半落ち)
 1977年7月。姉妹都市の韓国、釜山で開かれた陸上競技大会に参加した
 下関の女子高生4人組。走り高跳びの郁子は同じ競技の韓国の高校生、安
 のアドバイスで記録を伸ばせた。その夜戒厳令をかいくぐって郁子に逢い
 に来た安と淡い恋心を感じ、来年の大会で再会する事を約束する。主演の
 水谷妃里(ゆり)が凄くいい!清楚でありながらも芯の強さを感じさせる。

 
親友の真理の上野樹里(大人版ではなんと谷川真理)が等身大の女子高生
 を演じてて好感度大。4人で歌う「横須賀ストーリー」や踊るピンクレデ
 ィーは最高に可愛い。初恋の切なさだけではなく、その時代の無意味な差
 別や偏見も描かれているが、何よりも懐かしさに浸りたい、そんな映画。


「ヴァイブレータ」監督◇廣木隆一
 昨年末から日本映画界のあらゆる賞を総なめにした寺島しのぶの話題作。
 夜のコンビニで心の声を何度も繰り返す、心の均衡が崩れかけた女性。そ
 こにふっと現れた一人の男に心のヴァイブが鳴る。彼に触れたい。食べた
 い。彼のトラックに乗った彼女は欲情のままに彼に触れ、そのまま新潟ま
 での往復に同乗する事になる。感情ではない、本能の優しさに壊れた心が

 
癒されていく。トラックの振動が心地よいヴァイブとなって。ハード(女
 優にとって)なシーンで寺島しのぶに注目がいっているが、特筆すべきは
 大森南朋。寺島しのぶの演技に対して彼はトラック運転手そのもの。セリ
 フではありえない喋り。そのリズムが心の癒しにもなっているのだろうか。


「木更津キャッツアイ 日本シリーズ」監督◇金子文紀
 TV版の後半を見ていなかったのでどうか?と思ったが心配無用。初っぱな
 から十分楽しめるし、人物相関図も作中で結構分かりやすくなっている。
 ただ、元ストリッパーだった義母の森下愛子が種違いで氣志團のメンバー
 を産んでた事は知らなかった。ガンで余命半年を告げられながら又もや「
 あと半年です」と言われたブッさん。何でもアリの展開に追いて来れた者

 
だけがばかばかしい笑いの虜になる。ブッさんの新しい恋の為にモー子の
 出番は減ったように思うが、それでも酒井若菜のへんてこ存在感は郡を抜
 いている。薬師丸ひろ子は見てて辛い。ラストは「ゼブラーマン」への布
 石と言える。哀川翔の1000本目の映画は確かに見てみたい。カメオが豪華。


「四月物語」監督◇岩井俊二
 これは「花とアリス」の元ネタと言ってもいい作品。ただ、「花アリ」が
 中3〜高1という、独特な漂う「少女」が主人公なので何を起こしても不思
 議じゃないのに対して「四月物語」は大学生。東京へ進学してきた「不純
 な動機」を際立たせる為に松たか子を殊更、田舎っぽく見せようとしてい
 て、それがちょっと辛い。しかしまだ瑞々しい松たか子の演技は微笑まし

 
くもある。「花アリ」と共通する「櫻景色」の美しさだけでも一見の価値
 がある。そのシーンだけでも環境ビデオとしても十分に通用するのだ。そ
 れを撮影した岩井組の常連「篠田昇」氏は04年6月に亡くなられた。彼亡
 き後、岩井俊二はどんな画を描くのか。さほどに篠田氏の存在は大きい。


「花とアリス」監督◇岩井俊二
 好きな先輩が頭を打って倒れて意識朦朧となった時に花が「記憶をなくし
 たんですか?先輩が私に好きだと言ったんですよ」と吹き込み彼女になり
 すますという奇想天外な展開のドラマ。実に巧妙に張り巡らされた伏線に
 よって、観る者を納得させてしまう。花の鈴木杏が上手いのは分かってい
 たが、その上を行ってしまいそうなのがアリスの蒼井優。照れたような心

 
を隠した笑みに思いっきり心臓を打ち抜かれてしまう。花のついた嘘でア
 リスが元カノになってしまい、なかった過去の架空のデートを再現する。
 それはアリスにとっては一つの記憶でもある。花とアリスの関係の変化も
 面白い。圧巻は何と言ってもアリスのラスト近くのバレエシーンだろう。


「Jホラーについて」
 Jホラーが元気である。そこに「リング」の大ヒットが起因している事は
 誰にも明らかだ。そのプロデューサーであった一瀬隆重氏が又々仕掛けた
 のが「Jホラーシアター」。第一弾が「感染」「予言」で、来年以降も黒沢
 清、清水崇、高橋洋、中田秀夫などJホラーファンにとってどきどきわくわ
 くする監督作が控えている。特に注目したいのは「回路」などの異色な作

 
品を発表し続ける黒沢清と「リング」などの脚本を書いた高橋洋がどんな
 映像を見せてくれるかと言う事。高橋氏には思いっきり「霊」を描いて欲
 しいと熱望している。ぞわぞわ〜っと来る日本独特の湿度の高い恐怖の世
 界へ誘って欲しい。不条理な世界に理屈は要らない。美女に恐怖の顔を!


「東京原発」監督◇山川元
 20年以上も前に読んだ「東京に原発を」(広瀬隆・著)では国がそんなに
 安全だというなら東京に原発を建てよう、という内容だった。多くの電気
 を消費する東京にこそ小型の原子炉を建てればわざわざ遠くから送電線で
 電気を運ぶムダもなく、クリーンな温まった冷却廃水を利用して東京中に
 セントラルヒーティングを施す。これは映画と同じではないか。しかし広

 
瀬氏の名前はクレジットされていなかったのが謎。東京に原発を誘致する
 事で電源三法により財政が潤い、赤字を一気に解消出来ると都知事が提案
 する。何と言っても国が安全だと言ってるんだからと。しかし国の資料の
 嘘、巧妙なごまかしを突かれた時、都知事は。そして映画ならではの展開へ。


「ドラゴンヘッド」監督◇飯田譲治
 ツッコミたい所は勿論いくつかある。未読の原作(望月峯太郎)ではおそ
 らく東京へ帰り着く迄はもっと時間が掛かってると思う。でなければここ
 まで絶望への狂気に陥るのは不自然だし。磁場が狂ったという説の中どう
 やって東京まで帰ったのか。しかしそんな不満もよくここまで映像化した
 事で薄まる。CGに無理っぽさは感じるものの、ウズベキスタンロケで壮大

 
さは表現出来た。恐怖を感じない手術を受けた少年が人形を燃やすこのシ
 ーンでテルとアコが包まる新品の毛布はどこから?SAYAKAの髪や顔が綺
 麗すぎるのが感動を削いでしまうのが残念だ。細かいディテールで現実感
 が増すはずなのに。「絶望という未来。ふたりという希望」SAYAKA熱演。


「恋する幼虫」監督◇井口昇
 小学生のフミオは優しくて綺麗な従姉妹のお姉さんが大好き。泊まった時
 にも優しく一緒に寝てくれる。今日で帰るという日にフミオはお姉さんの
 彼氏とキャッチボールをしていて怪我をしてもう一日泊まらなければいけ
 なくなった。それでもお姉さんは優しく言ってくれた。「いいのよ。治る
 まで泊まりなさい。
ずっとじゃ困るけど。それから今日はこの人も泊まる
 から
」と。彼氏を真ん中で寝れないでいるとお風呂に入りなさい、来るま
 で入ってなさいと言われたけど、気になって上がってしまった。そして障
 子の隙間から見えたのは…!これは脱がないピンク映画だ!タイトルまで
 のここまでで惹き付けられればOK。逆に引いたらNG。最高に面白かった。


「イノセンス」監督◇押井守
 これを「攻殻機動隊2」という事を知っていれば、前作を復習してから見
 る事が出来る。知らなければかなり悲惨だ。結局前作を知っている、とい
 う大前提に立って製作されているので、そういう意味では見る人を選んで
 しまっている。せめてプロローグに前作のあらすじだけでもあれば、と思
 う。難解な言葉で覆い尽くされているが、基本はバトーと素子の愛の物語。
 途中で訳が分らなくなるが、事件そのものは腰砕けになってしまう程の単
 純な結末であっけに取られてしまう。それを隠すかの様に禅問答や孔子の
 言葉が飛び交うのだ。映像は凄い!バーチャルな世界をCGをフルに使った
 バーチャルなアニメで見せられると何が現実世界なのか分らなくなるのだ。


「渋谷怪談、渋谷怪談2」監督◇堀江慶
 この2作で1本となる話。渋谷のあるコインロッカーに一旦プレゼントを
 入れ、好きな人に渡すと想いが通じるという「表」の伝説に隠れた都市伝
 説。しかし、冒頭は「13金」に倣ってキャンプから始まる。って事は都市
 伝説じゃないじゃん。著しくオリジナリティに欠ける。このサッチャンも
 コマを落としたカクカク動きだし。せめてそういう所に自分なりの工夫が
 出来なかったものか。2作通して出演の医者と助手が言うなればAVでの設
 定みたいに大きな病院なのにその二人しか出て来ないのがおかしかった。
 収穫は勿論「堀北真希」ちゃん。渋谷ロケでもあの可愛さは際立っていた。
 「東京湾景」の和田さんが殺されちゃう役で出演。柏原収史も最近良い。


「この世の外へ クラブ進駐軍」監督◇阪本順治
 戦後の日本、進駐軍のクラブでジャズを演奏しながら一歩外へ出ようと、
 もがいている若者たち。そして進駐軍であるアメリカ軍人たちも戦争で傷
 を負っている。しかも次の戦地、朝鮮戦争へと赴かなくてはならない。主
 役であるはずの萩原聖人の人生が見えないが、相変わらずオダギリジョー
 のカメレオン役者振りが楽しめる。何よりも収穫はこの松岡俊介だ。「白
 鳥麗子でございます!」のニ代目哲也で個人的にはぱっとしない印象だっ
 たのだが、年を重ねていい役者さんになりましたね。これからがとても楽
 しみ。そういえば初代哲也は萩原聖人だった。そして、実に意外に良かっ
 たのが前田亜希ちゃんの本格的な歌だったのだ。劇中もっと聴きたかった。


「ゼブラーマン」監督◇三池崇史
 鈴木京香のまさかの胸の谷間あらわな「ゼブラーナース」のコスプレには
 感動!蟹男の柄本明も凄くいいし、哀川翔だってかっこいい。が、いかん
 せん脚本のクドカンも含めて「特撮ヒーローもの」への思い入れが感じら
 れない。心の底ではバカにしてる感じが透けて見える。でなければ銭湯が
 政府の研究所なんて笑いにもならない設定を思い付かない。科特隊の車が
 チープだったりアパートの一室で捜査したりまでは許せる。しかしそれ以
 上やっちゃだめだ。結局は主人公やそれを主演100本目に選んだ哀川翔さ
 えバカにしてる事にならないか。特撮ってこんなモンでしょ、という。宇
 宙人も二番煎じどころか出がらし。大人がマジで作った特撮を見たかった。


「きょうのできごと」監督◇行定勲
 いや〜、笑った笑った。酒に酔った真紀/田中麗奈に髪をカットされた西山
 の姿に。一体いくら引き出しを持っているのだろうと思わせるのだ、田中
 麗奈には。恋愛が第一の女の子で彼氏/妻夫木に可愛い、可愛いと言われ続
 ける幸せな彼女なんだが、本当はもっと本音でけいとみたいに接したいと
 思っている。昨日になってしまった今日、今日になってしまった明日。そ
 の境界を起きていた若者たち。知らない所で何かが起こってる、何でもな
 い今日。けれど知らない間にどこかでの出来事が自分達に少しだけ関係し
 てる、という不思議な空間を作り上げたのは行定勲。ここに出てくる皆が
 愛おしかったりする。凄くいいヤツの正道が不幸にならなくて良かった!


「ドラッグストア・ガール」監督◇本木克英
 田中麗奈が可愛い。そりゃそうだ。宮藤官九郎が田中麗奈を頭に置いて脚
 本を書いたのだから。冒頭「おしっこ〜」と叫びながらの帰宅、しゅたた
 っと駆け抜けるシーンなど存分に魅力が引き出されている。キャラクター
 は田中本人と監督との色んな話の中で作り上げられている。ただね、脚本
 が若い。寂れた街に進出したドラッグストアに反旗を翻す事もなく、そこ
 に勤める元気な女の子におっさん達が恋しちゃうのだが、おっさん達の必
 死さやましてや健気さが出て来ない。無論ラクロスに頑張ってるんだが、
 姿勢がちょっと違う気がする。もっと気を引きたい。抜け駆けだって。そ
 こが若い。試合が長い。
沼田の死の意味が分らない。そんな不満を抱いた。


「1980」監督◇ケラリーノ・サンドロヴィッチ
 過ぎてしまえばどんな時代も素晴らしかったのだろうか。自分も生きてい
 た1980年。このバカバカしくも熱気に溢れた時代。この時を共有した者
 だけがこの映画の面白さに気付くのだろうか。失踪していた、あまり売れ
 てもいなかったアイドルがいきなり教育実習生としてやってきたのは異母
 姉妹(姉は教師、妹は高校生)がいる母校。この病的に惚れっぽい元アイ
 ドルのともさかりえが素晴らしい。惚れられてしまう高校生の勝地涼の逞
 しくない、プヨプヨした身体がリアルに時代を感じさせる。いかにも舞台
 らしい犬山イヌコの独走芝居が面白い。妹、蒼井優のでっかい聖子ちゃん
 カットが痛々しくて笑える。そう、時代を振り返るのは痛いのだ。佳作。



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