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こちらは「邦画レビュー」のpage5です。
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新旧入り混じった構成になっています。好きなシーンをボールペンでイラストにしてみました。
イラストをクリックすると少し大きなものがご覧頂けます。
文中、敬称は略させて頂いてます。よろしくご了承ください。


「うめく排水管」監督◇及川中
 「うずまき」「富江」で知られる伊藤潤二原作コミックを「富江」を演出
 した及川中が監督、という事でいくらか期待はあったのだが、あまりにも
 ひどすぎ。これが劇場公開された事に驚きを隠せない。不条理な伊藤潤二
 の世界は、だからこうなったという説明が要らないがその分リアルな描写
 があってこそ成り立つ。まるでやる気が感じられない映画作りなのだ。そ
 れでも救われるのは主演の姉妹を演じた若手女優の栗原瞳と岩佐真悠子の
 二人がベッドで少し妖し気に戯れていたり、肩から少しだけ下の背中を見
 せた岩佐真悠子のシャワーシーンがあるという事。つまりはイメージビデ
 オに、ほんの少し訳の分らないホラーっぽいストーリーが付いてる感じ。


「予言」監督◇鶴田法男
 ホラー作家のS・キングが言う。「本当の恐怖とは愛する者の死だ」と。
 だとするなら「予言」はまさに心締め付けられるホラーだ。帰省からの帰
 り道、仕事の為に少しUターンして電話BOXでふと見つけた古い新聞の切れ
 端。そこには「5分後」に起こる交通事故での娘の死亡記事が。事故後夫
 婦の溝は埋められず離婚。赴任した高校で一人の女生徒の答案に書かれて
 いたのはこれから起こる殺人事件の予告。彼女も霊界からの通信を受けて
 いたのだ。止められない未来。変えればどうなるのか…。「恐怖新聞」を
 見事に作り替えた映画。ただ、研究者である鬼形礼のケースとは違う矛盾
 を抱えたのは残念。堀北真希が重用されるのは暗い表情が活きるからだ。


「ほたるの星」監督◇菅原浩志
 映画がファンタジーと言うなら外堀はリアルに埋めなければいけないと思
 う。でなければ心優しい「童話」であるべき。何故山口に来たのかはとも
 かく、学校の井戸という設備を工事して使うのに独断では出来ないはず。
 教室でメダカを飼育するのとは違うのだから。躾を云々する親ならあれを
 贔屓と言わない訳もなく。児童の主役であるひかりを演じた「Berryz工
 房」の菅谷梨沙子の恐るべき存在感に映画が負けている。だから引っ越し
 先の教師の家に夜、一人でいるなんて描写が疑問も抱かずに撮れるのだ。
 主題歌は松浦亜弥の「初恋」。これは好きな歌だがこの映画の主題歌では
 いけない。テーマが違う。結局つんく♂は何も理解していないのだった。


「blue」監督◇安藤尋
 桐島(市川)は教師の思い込みによる叱責がくやしかった。それを認めて
 くれた遠藤(小西)と触れあううちに彼女に惹かれていく。これは同性愛
 を描いた映画ではない。好きになった人が同性だったという話でもない。
 恋する切なさや難しさを淡々と描いている。市川実日子という強烈な個性
 に対するのはあえてセリフに間を置く事で桐島を受け入れる深い海の青に
 似た存在感を示した小西真奈美。不必要な音をわざと残した現場での録音
 がリアルな心情を映し出している。桐島よりもあの男が大事だったなんて
 言えなかったんだよ、という言葉は言う方も聞く方も切ない。桐島が擦り
 切れる程見たというビデオは、私も桐島が本当に好きだったという青い海。


「ソウル」監督◇長澤雅彦
 まだ「韓流」という言葉もなかった頃。サッカーW杯の日韓共催で少しだ
 け友情が芽生えた、わずか3年弱前に作られた映画。一応日韓共作となっ
 ているが、韓国の全面協力を得て製作された純然たる邦画だ。韓流の後に
 作られたならおそらくキャストは変わっていたに違いない。成りゆきで銀
 行強盗事件の犯人を追ってしまったのは日本から韓国に犯人を護送して来
 た日本の刑事。彼が唯一の目撃者となった事でソウル警察に協力する事に
 なるのだが…。ハリウッド映画ならよくあるザル脚本。これって結構韓国
 の警察をバカにしてると思う。こんな事に気付かない警察があるか?最後
 もバスのタイヤを打ち抜くのと突入とどう違うのか。師弟関係は良かった。


「eiko(エイコ)」監督◇加門幾生
 駅に降り立ってはティッシュを幾つももらい、アンケートと称されては怪
 しげな石を96万ものローンで買ってしまうエイコ。家に帰れば断り切れず
 に買ってしまった数多くの商品が積まれている。街金からは手間賃と財布
 からなけなしの2千円を持って行かれる。3ヶ月分の給料を払うからと言わ
 れた日に出勤すると夜逃げした後。アパートに張り付く街金から逃れるよ
 うに社長の自宅を訪ねるとそこには半ば呆けた老人(?)が「加代」と呼
 び招き入れてくれた。行く宛もないまま奇妙な同居生活が始まる。人を信
 じる事でツラさから逃げていたエイコが結局裏切られる。それでも新しい
 一歩を踏み出しそれでも大事な人を信じる姿に涙が溢れて来た。佳作だ。


「ジャンプ」監督◇竹下昌男
 ある朝「りんごを買って来る」と言ったまま恋人が姿を消した。わずかな
 手掛かりを基に彼女の足跡を追う。しかし彼女を見つける事は出来ずに、
 代りに何も知らなかった彼女の事を初めて知って行く。企画室から営業へ
 飛ばされても彼の力を信じているもう一人の女性。自分に必要なのはこの
 女なのか。やがて5年が経ち出張先で偶然別れたままだった彼女の消息を
 知る。そこで明かされた意外な真実。あの時右に曲ったのは自分か彼女か。
 しかしいつかは分かれ道に立っていたのだろう。道を曲った事を後悔する
 事もなく手を握れたのは時間の為せる技。実に独特な味わいのある映画。
 原田泰造、笛木優子(ユミン)、牧瀬里穂それぞれの良さを引き出した。


「完全なる飼育 赤い殺意(R-15)」監督◇若松孝二
 映画は現実に起きた事件からインスピレーションを受けて娯楽作となる。
 それを理解出来るのが本当の意味で15歳以上という事だ。三流ホストが
 金の為に殺人を犯し、逃げた先が雪深い山の一軒家。外から厳重に施錠さ
 れ電気もつかない室内にいたのは童女の雰囲気を持った無口な女性。やが
 て帰宅した家主と女性との奇妙な関係を目撃する。拉致監禁を覗き見る屋
 根裏の男という構図が緊張感を生む。ほとんどを全裸で演技し剃毛シーン
 もある伊東美華の頑張りに目を見張るが唯一残念なのは眉に手をいれ過ぎ
 た事か。佐野史郎、大沢樹生とも適役。快楽を知った事で一瞬優位に立つ
 女性の微笑こそ、エロスの巨匠と呼ばれる監督が描きたかったのだろう。


「忍者ハットリ君・ザ・ムービー」監督◇鈴木雅之
 「掟」を守る事よりも大事な事があって、自分で決めた「掟」を守る大切
 さをも教えてくれる、そんな素敵な映画。言うまでもなく香取慎吾以外に
 ハットリ君を演じる役者はいない。彼自身がこだわったというほっぺたの
 うずまき模様があってこそのハットリ君。全く違和感を感じない。慎吾マ
 マのネタも入れつつ楽しくストーリーは続く。何よりも健闘しているのは
 ケムマキを演じたゴリ。色んな意味で大人になったケムマキってこんなン
 だろうと思わせてくれる。全体の縦糸である、かつての甲賀忍者を襲う展
 開も後半のサスペンスを盛り上げている。ケンイチとミドリを連れて空を
 飛ぶシーンにどきどきわくわくしてしまった。大人も子供も楽しめる佳作。


「最後の恋、初めての恋」監督◇当摩寿史
 日中合作。しかし紛れもなく日本映画。舞台は上海。事故(と思われる)
 で恋人が死に同乗していた親友が重傷を負い(どうも二人に裏切られたら
 しい)人生にも仕事にも気力を無くした男が赴任してくる。そこで偶然出
 逢ったのがホテルで働く女性、ミンと、彼に中国語を教える事になった学
 生のリンの姉妹。彼女たちやその父親、上司、取引先の自動車ディーラー
 の社長との触れ合いで人生や仕事の厳しさ、美しさを思い知らされてもう
 一度再生して行く。彼が恋する姉のシュー・ジンレイの凛とした美しさは
 どうだろう。ドラマはここが日本ではなく上海というアジアだからこそ成
 り立つのだが、ディーラーの社長など、人間味溢れるキャラクターが良い。


「天国の本屋 恋火」監督◇篠原哲雄
 自分に酔う演奏しか出来ないピアニストの青年が楽団を解雇され気が付い
 た時には天国にいた。彼は天国の本屋で朗読する仕事を与えられる。寿命
 100年、余命を残して死んだ者は天国で余生を送る。ピアニストは強引に
 連れて来られただけで死んではいなかった。そこで子供の頃に憧れていた
 ピアニストの女性に出逢う。彼女の未完の曲を共に作る事で演奏する意味
 を知って行く。元は二つの原作を一つにまとめた映画。これはファンタジ
 ーなのだ。だからこの天国は日本の天国か?悩みを解決してくれる天国に
 行きたいとか何故海辺にピアノが置いてあるかなど考えてはいけない。竹
 内結子の二役は演じ分けが、?香里奈は非常に良い。玉鉄も頑張ってる。


「解夏」監督◇磯村一路
 「愛し君へ」というタイトルでドラマ化(設定などが違うが)もされた、
 さだまさし原作。ベーチェット病という、次第に視力などを失っていく可
 能性のある難病に罹ってしまった青年教師。彼を支えたいと思う彼女。彼
 女に負担を掛けたくないと悩み、失明への恐怖と闘う青年。それぞれを大
 沢たかお、石田ゆり子が好演している。「これは『行』ですな」という言
 葉が痛い。失明への恐怖と闘う『行』。そして失明した時に、恐怖との闘
 いという『行』が終わる。ただ、ひとつ疑問に思う事は失明を目の前にし
 て目に焼きつけておきたいのは故郷の景色だけなのだろうか。愛すべき恋
 人の美しい裸身を目にすべきじゃないだろうか。そんな事を思ってしまう。


「69」監督◇李相日 脚本◇宮藤官九郎
 原作が村上龍。時代が1969年。どこが、だろう?あえて69年を意識しな
 かったというが、そこにこの映画を面白いものに出来なかった原因がある
 と思う。「退屈なやつらにオレたちの笑い声ば聞かせてやるったい!」と
 叫ぶが退屈さ、窮屈さが描かれないので対比のしようがないのだ。管理教
 育の象徴として女子のマスゲームが出て来るが、それもセリフでしか表現
 されない。バリ封も、その後に来る傷みが小さ過ぎて心に来ない。校長室
 での脱糞にいたっては悪趣味以外の何ものでもない。尻を露出程度で十分
 のはず。「フェスティバル」への道をもっと描いた方が分かりやすいので
 は?妄想の中の井川遥が妖しく綺麗なのでもっと全編に引っ張って欲しい。


「深呼吸の必要」監督◇篠原哲雄
 「くたくたになるまで働いて、ご飯を食べてぐっすり寝たら朝はちゃんと
 来るんだ」沖縄のさとうきび農家の収穫を手伝う「キビ刈り隊」に応募し
 てきた内地の若者たち。彼らはそれぞれに悩みや苦しみを抱えていた。そ
 れは生きて行くには当たり前の事かも知れない。しかし、見よう見まねで
 キビを刈り、時にはぶつかりながら逃げ出しかけてもキビを刈り続ける事
 でいつしか自分自身とも向き合えるようになって行く。畑とはとても言え
 ない広大な土地に広がるキビは期限までに納めなくてはいけないのだ。ま
 るでノンフィクションのようにキビを刈り続ける俳優たち。香里奈の出演
 作を初めて見たが結構いい。おじいの「なんくるないさぁ」素敵な言葉だ。


 映画「犬夜叉 紅蓮の蓬莱島」監督◇篠原俊哉
 前作「天下覇道の剣」で愛する人、父と子、兄と弟との絆を描いたドラマ
 に主眼を置いていたが今作ではアクション重視になった。タイトルバック
 で犬夜叉がすっとスローで入って来る瞬間、血が踊った。アクション映画
 はこうでなくちゃいけない!ハリウッドやフランス映画では日本のコミッ
 クやアニメを参考にしてかっこいい画を撮っているのに、肝心の邦画はど
 うだろう?かっこよくない事がかっこいいとでも言わんばかりに、血が踊
 るアクションが少なくなって来てると思う。もっとアニメで勉強し直した
 方がいい。今作ではキャラクターデザインも原作の高橋留美子の絵に非常
 に近い。ストーリーはそこそこだったのがちょっと残念。前作が良すぎた。


「05年期待の新作邦画」◇ペ・ドゥナ
 「ほえる犬は噛まない」「TUBE」などで知られる韓国の人気女優のペ・
 ドゥナが日本映画に主演するのが「リンダ リンダ リンダ」。ブルーハー
 ツのコピーバンドを結成する女子高生たちの物語で、ペ・ドゥナは韓国か
 らの留学生という、まんまの役を演じる。夏公開予定。数多く居る韓国の
 女優の中からペ・ドゥナを選んだのがニクい。日本の女子高生たちに混じ
 ってもむちゃくちゃ綺麗というわけではないから何の違和感も感じさせな
 い。これからもこんな形で韓国の俳優たちが日本映画に出演する事になる
 だろう。そしてもう一作、気になってるのが「頭文字 D」!香港映画なの
 に日本でロケ。主演女優は唯一日本人の鈴木杏。どんな仕上がりか楽しみ。


「世界の中心で、愛をさけぶ」監督◇行定勲
 待ちました!DVD化!レンタルで出てても敢えて目をつぶり、ただひたす
 ら待っていました(セルと発売日が違う)。今観直してみても、長澤まさ
 みちゃんは特筆すべき輝きを放っている。ワタシなりの美少女の定義とし
 ての儚さを兼ね備えている。それは病に倒れる以前のこのシーン、雨の中
 で読む恩師への弔辞。そこに凝縮されている。ただ、残念な事にこの映画
 における「世界の中心」とは大人になった朔太郎の「自分の中」であって
 決して愛する人の心の中ではなかった。だから、律子を追ったはずなのに
 アキの思い出に浸る事しかしなかったのだし、オーストラリアにまで律子
 を連れて行きながらも、足の悪い律子を放って丘の上に登ってしまうのだ。


「怪談新耳袋〜御祓いは効かない」監督◇平野俊一、他
 BSでの放送があったから、正しくは「テレビジョン」のカテゴリーかも知
 れないが、見る環境がないので邦画として。1話5分の超短編を集めたもの。
 つまりはホラー映画の導入部、おいしい所だけを物語にしている。理由は
 存在しなくてもいいはずだから(5分じゃ無理でしょう)もっと自由に展
 開してもよさそうなのだが…。喜多嶋舞のは「もののけ」は影だけでよか
 ったはず。橘実里(てるてる家族の冬ちゃんの宝塚の同級生)は少女から
 女性に変わっていたのでどっきり。最近お気に入りのいとうまいこは年増
 OLを嬉々として演じてた。堀北真希はホラー映画づいてるけど、それこそ
 お祓いしなくてもいいのか心配。ラストの話はオチに切れがなさ過ぎる。


「恋人はスナイパー劇場版」監督◇六車俊治・脚本◇君塚良一
 人気テレビシリーズの完結編(?)を劇場版とした。「踊る」がお台場な
 ら、同じ脚本家でもテレ朝なのでこちらは当然六本木ヒルズが舞台となる。
 無差別に狙撃され、国民全員を人質に取るという西村京太郎の原作を基に
 ストーリーは進む。中国で懲役250年の刑を受けた王凱歌を捜査協力の為
 に再び日本に入国させ、きなこと再会する。益々水野美紀のアクションに
 磨きがかかり、内村を羨ましがらせたそうだが。阿部寛がさすがに厚みを
 感じさせてくれる。スナイパー同士の息詰まる対決というよりも、動き過
 ぎたのが残念ではある。個人的には「踊る」劇場版よりもこちらがお気に
 入り。そしてこれがいかりや長介さんの遺作となる。最後の勇姿なのだ。


「キューティーハニー」監督◇庵野秀明
 ここまでキッチリ仕上がってるというのはちょっとした驚きだった。サト
 エリの超柔らかいボディが監督に逆にイメージを与えたのかも知れない。
 変身前の如月ハニーのフニャフニャンした喋りには最初こそ違和感があっ
 たものの、キューティーハニーに変身後の「おりゃーっ!」という雄叫び
 とのメリハリになっていて結構クセになる。脇の市川実日子に片桐はいり
 の「すいか」コンビで来るならシスター・ジルは是非とも浅丘ルリ子さん
 に個人的にはお願いしたかった。ミッチーは相変わらずかっこいいバカぶ
 りで、何と歌まで披露してくれるのだ。レンタルで見たのだが、セルでは
 ミッチーのクリップが特典映像に入るらしく、今非常に迷っている所だ。



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