[PR]〈特集〉内側からの美容法:うるおい美人の秘密を公開!キューサイ

 

 

こちらは「邦画レビュー」のpage6です。
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新旧入り混じった構成になっています。好きなシーンをボールペンでイラストにしてみました。
イラストをクリックすると少し大きなものがご覧頂けます。
文中、敬称は略させて頂いてます。よろしくご了承ください。


「パッチギ!」監督◇井筒和幸
 1968年、京都。帰国事業が進む在日朝鮮人。しかしその中でも日本人高
 校生たちとケンカに明け暮れる朝鮮人学校の番長たち。パッチギという頭
 突きを必殺技にするアンソンの妹、キョンジャに一目惚れした康介は「イ
 ムジン河」という歌を知る。38度線に流れるイムジン河を挟んで分断した
 朝鮮半島の同一民族の悲哀を歌ったものだが、その政治的な背景から日本
 では発売中止となっていた。そんな歌が二人の心を繋いでいく-。この映
 画には人間の本質にある「差別」は描かれていない。しかしエンターティ
 メントとしてはそれでもいいのではないか。とことんバカをする若者たち。
 そんなバカが悲劇を呼んだとしても、それは若さゆえ。お話の中での事。
 ヒロインの沢尻エリカがかつての烏丸せつこを彷佛させる雰囲気を持つ。


「妖怪大戦争」監督◇三池崇史
 両親の離婚で母方の祖父と鳥取で暮らし始めたタダシ。弱っちいタダシは
 地元の子供達からのイジメの的にもなっていた。そんな夏、神社での祭り
 で麒麟に噛まれ正義を守るという「麒麟送子」に選ばれる。それはタダシ
 の人生を大きく変えるひと夏の始まりだった-。水木しげる、荒俣宏、宮
 部みゆき、京極夏彦らの人気作家が絡んでいるだけに「魔人加藤」や馴染
 みのある妖怪が大集合しているのが楽しい。一反もめんなどへの小ネタが
 炸裂!劇場は大爆笑。さり気ない伏線が実はとんでもない結末へと繋がる
 面白さ。岡村隆史演じる「小豆洗い」が最高。ヒロイン的な川姫よりも圧
 倒的に目立っていたのはアギの栗山千明のとんでもないエロさ。ちょっと
 切ない初恋までも描くならラストは中学生くらいまでの成長にしておけば。


「レディ・ジョーカー」監督◇平山秀幸
 ビール会社の社長を誘拐した一味「レディ・ジョーカー」は表での脅迫と
 は別に裏で社長(企業)と取引を持ちかける。人質は「ビール」、身代金
 は20億。見せ掛けの身代金引き渡しに振り回される警察。そこに内部の関
 与を感じ取るのだが-。グリコ森永事件にヒントを得て書かれた原作を映
 像化。しかしおそらくは犯人の「頭」であろう薬局店経営の初老の男の動
 機に共感できない。孫の事もあるとはいえ、元は47年も前の話。そこから
 何も上手くいかない気持ちは分るのだが…。お金に執着していた信金の男
 は金の在り処を吐かなかったという事か。しかし配送すればどこに送った
 かは分る筈でもあり。吉川晃司にしろ彼らの目的はただ鬱屈した不満を解
 消したかっただけなのだろうか。見終わってこちらの不満が溜まる映画。


「幽霊より怖い話 1」監督◇坂牧良太
 幽霊よりも怖いのは人間だ、との事。それはとても正しい。しかし作品と
 しては面白くない。投稿された実話を映像化という嘘くさい触れ込みのオ
 リジナルオムニバスドラマ。結局、あれは何だったんだろう?で逃げてし
 まう。「袋」なんかはその中身、それがネズミであってももっと見せる怖
 さを追求すべき。「女優ストーカー」では騒ぎを聞き付けた住民が警察を
 呼んだ、とか言ってるが、監督、あんたは女性をぼこぼこにしたはず。ま
 あ、ここで出て来る愛川ゆず季が可愛いので(演技は下手)許す。「妄想
 監禁」は導入部で話を終わらせてどうする?と。もっと話を膨らませる事
 はいくらでも出来たはず。それを実話(な訳はない)で逃げてる。せっか
 く石井めぐるという逸材を使っていながら。「2」を見る事はないだろう。


「いま、会いにゆきます」監督◇土井裕泰
 愛する妻であり愛してくれた母でもあった澪の1周忌が済み、巧と佑司の
 父子は雨の季節を待っていた。澪が書き残した絵本に「雨の季節に帰って
 くる」とあったからだ。逆さてるてる坊主を吊るした佑司の願いが叶った
 のか、梅雨が訪れ、そして澪が姿を現わす。全ての記憶がないままに。澪
 は本当に澪なのか。そして雨の季節が終わるとまた姿を消すという絵本の
 通りになってしまうのか-。思っていた以上によく出来た映画だった。ぶ
 っきらぼうに感じる竹内結子の良さが上手く活かされているし、中村獅童
 の繊細な演技、子役の愛らしさ、そのまま先生になったかのようなYOU。
 役者だけではなく良く練られた脚本、ロケーションの素晴らしさ。その全
 てに涙してしまう。このひまわり畑での二人はとても重要なシーンです。


「雨鱒の川」監督◇磯村一路
 青い大地が広がる自然の中に小学生の心平は母と住んでいた。魚を捕る事
 と絵を描く事が大好き。そして幼馴染みの小百合と一緒にいる事が何より
 も楽しかった。小百合は耳が聞こえないが心平には聞こえるし小百合にも
 聞こえる。そんな子供時代の輝きに対して成長した心平はおどおどしてい
 る。しかし雨鱒の絵を描き上げた頃から子供の輝きを取り戻す。小百合が
 どれだけ大切か、何もかも捨てて、捨てさせてまで大切にしなければいけ
 ない存在か気付いた時、川は海へと流れる。それは「初恋」という甘い響
 きだけでは生きてはいけない厳しさへの旅立ちでもある。ドラマ「セカチ
 ュー」以前の綾瀬はるかは既にいい女優だった。ひまわり畑がゴッホの様。


「海猿」監督◇羽住英一郎
 海上保安庁の11管区から集まったのは海難救助のエキスパートである潜水
 士を目指す若者たち。過酷な訓練が彼らを待ち受ける-。原作が「ブラック
 ジャックによろしく」で知られる佐藤秀峰の同名コミック。訓練に的を絞
 った演出はとても分かりやすい。原作を読んでいた時には気付かなかった
 のだが、これは米映画「愛と青春の旅立ち」だ。正しくは「士官と紳士」。
 つまり士官たるもの紳士であれ、という事。伊藤英明、加藤あい、伊藤淳
 史がとても良い演技をする。バスの中、トンネルに入った瞬間、唇を重ね
 抜けて明るくなった時自然に唇が離れる。恋愛映画としても綺麗なシーン
 だ。香里奈の派手な外見のままの配役には少し不満も残る。佳作だろう。


「恋文日和」監督◇大森美香、須賀大観、永田琴恵、他
 全身タトゥーのいかつい増村が書いた、差し出される事のなかった手紙を
 偶然屋上で拾った文子/村川絵梨はその純情なギャップに感動して名前を
 書かずに増村宛に手紙を書く。そして不思議な文通が始まる。「あたしを
 知らないキミへ」はそんな話。これが一番好き。他に雪国での孤独で傷つ
 いた少女と同級生との触れあいの「雪に咲く花」、自分勝手なまま死んだ
 兄が残した1本のビデオレター。それを愛した中国人の女性に届けろと言
 われた弟/塚本高史。それが「イカルスの恋人たち」。そしてその間にエ
 ピソードをはさむ形で語られるレターセットショップの店長と店員、客と
 の恋物語、「便せん日和」。これは劇場で見る映画ではなくTV向きだろう。


「ラブキルキル」監督◇西村晋也
 ハローワークに勤めるサトシ/津田寛治は求職に来たサユリ/街田しおんに
 一目惚れ、住所を書き留め生活を覗き見る。ポルノショップで出逢ったナ
 オ/愛葉るびに家まで追い掛けて来られたサトシはサユリの身辺を探る事
 をナオに依頼する。サユリの弟も含めた思い込みの愛が絡んだ複雑な四角
 関係が始まる-。ピンク映画とATGとをごちゃまぜにした出来上がり。サト
 シの気持ちはよく分るのだがサユリが全く分らない。ハローワークフェチ
 ならそれで通せばいいのだが妙に普通にサトシを避ける。ナオもまた自分
 とサトシを重ねているのか単にサユリに心を奪われたのかが不明。サユリ
 の肌に触れる瞬間にサトシがオーバーラップしていれば分るのだが。残念。


「海猫」監督◇森田芳光
 ロシア人の血をひく美しい女性が北海道の漁村に嫁いで来る。夫婦で小舟
 に乗るコンブ漁を慣れないながらも頑張ってはいる。しかし馴染めない生
 活は孤独を生む。初対面で兄嫁に心を奪われた函館に住む義弟が帰郷し、
 ふっと心を通わせてしまう。それが悲劇の始まりなのだった-。伊東美咲
 の終始おどおどした演技は演出なのだろうか。彼女の孤独感に深さを感じ
 られないので、義弟に惹かれていく気持ちが伝わって来ない。非常に大味
 な話作り。いかにも東映映画っぽい女性の半生を描いているのだが心を打
 たないのは何故だろう。娘の婚約者の気持ちも理解出来ず。濡れ場も含め
 て中途半端なのだ。下着から覗く下貼りくらいCGで消せるのではないか。


「感染」監督◇落合正幸
 このウィルスは意識に感染する-。経営難で実情は医療器具すら不足しつ
 つある病院に、ある夜、救急患者が運び込まれる。人的余裕がない理由で
 搬送を断った患者だった。その時入院患者の一人が重篤な状態に陥ったと
 の連絡が。それが、長く暑い恐怖の一夜の始まりだった-。とにかく怖い
 のだ。半端じゃなく。意識して病棟を前時代的なセットで作られているの
 でリアルさは消えているものの、これを見た後では絶対に(!)入院は出
 来ない。夜の病棟が、病室が怖い。始めからあちこちに張り巡らされた伏
 線が映画が終わる寸前すべてが繋がっていく。実に見事な構成。劇場では
 「予言」との2本立だったが「感染」の恐怖を「予言」が吸収したはず。


「理由」監督◇大林宣彦
 冒頭、荒川区がいかに人と人との繋がりで成り立って来たのかが字幕で語
 られる。そして荒川の下流の江東区の交番に少女が駆け込み「殺人事件の
 容疑者がウチにいます」と。以下、カメラ目線の棒読みでインタビューを
 受ける関係者たち。その時間の場面へと続く奇妙な構成で映画は進んでい
 く。荒川区の高層マンション、男性の転落、別の通報、エレベーターでの
 目撃、玄関での血痕、室内での殺人、管理人が把握していた家族構成とは
 違う被害者たち-。独特な構成に面喰らうが次第に引き込まれていく。た
 だ犯人をモンスター扱いしたラストは唐突に思えるが「繋がる」事が怖い
 世代は増えている。宮崎あおいは容疑者の娘。重要な配役は伊藤歩だが。


「インストール」監督◇片岡 K
 朝子がふっと立ち止まるのは、歩調も出す足も同じゆらゆら揺れる現実。
 ドロップアウトした先は虚構と脳内妄想の世界。と書くと大袈裟か。ポッ
 プな色調がよりリアリティの無さを生み出す。エロチャットのバイトを持
 ち出すませガキも神木隆之介が「興味ツツ(津々)」と演じる事で毒がな
 くなる。上戸彩のエロセリフもモニターというフィルターがかかるのだが
 神木が上戸の胸を触った瞬間に劇中の朝子とかずよしと、観客までもが現
 実に引き戻される。「案外ないんだね」「そう、かな?普通だと思うけど
 …」「ううん、体温。もっとあったかいと思った」そしてかずよしの頬を
 ぷにっと触る。決して不埒ではなく原作小説を読みたくなる映画だった。


「ロード88」監督◇中村幻児
 四国88ケ所の遍路をスケボーに乗って巡る少女、明日香。売れない芸人
 勇太はママチャリで巡る企画に無理矢理参加させられる。娘を白血病で亡
 くした高級車窃盗グループの一人、伴野。それぞれが偶然に出逢い、もう
 一度人生を問い直す。決して肩ひじを張らずに淡々と描かれていく。どう
 して涙が流れるのだろう。大袈裟な演出があるわけでも(映画としての盛
 り上げはある)ないのだが。真直ぐ前を見据える主演の村川絵梨の表情が
 とても良い。無理に泣こうとはしていない自然さが彼女の魅力だ。05年
 10月からのNHK朝ドラ「風のハルカ」にも主演が決まっているらしく、
 この村川絵梨は今年大注目になる事は間違いない。金剛杖の大師と共に。


「スチームボーイ」監督◇大友克洋
 19世紀のイギリス。天才科学者が新しいエネルギーとしてスチームボール
 を開発する。が当然のようにそれを兵器に利用しようとする財団と軍部。
 スチームボールを託された孫であるレイは科学の未来を信じる-。鈴木杏
 が声優を務めているが、女優としての彼女自身を消してかなりの出来。ま
 たヒロインであるスカーレットという少女を小西真奈美が演じているがこ
 ちらもまたエンドクレジットを見るまでは気が付かない程別人に成りきっ
 ていて好印象。宮崎駿との大きな違いはこのヒロイン像にある。儚さの欠
 片もないのだから。クリエイターとして共通するのは実は徹底的に破壊す
 るために緻密で巨大な積み木を組んでいく創造者と破壊者を合わせた所。


「スウィングガールズ」監督◇矢口史靖
 夏服が眩しい上野樹里が走る、怒る、やる気がなさそうなのに輝いてしま
 う若さ、雪の中の赤いひざ小僧、そんな魅力がこの映画の50%を占めてい
 る。本仮屋ユイカの真面目な印象、惚れっぽい貫地谷しほり、ダイナミッ
 クな豊島由佳梨やだるだる〜なギター、ベースの二人などの若い女優の魅
 力が30%、山形弁や実際に演奏をこなしてしまう若さが10%。そして映
 画そのものの魅力が残りの10%と言える。それほどこの映画には若さが溢
 れている。どんなにジャズが好きで一生懸命に練習しても上手にはなれな
 い竹中直人が最後の演奏会に指揮者として立たなかったように、おじさん
 である私はただの一観客として、若い彼女たちに拍手を贈るのみなのだ。


「恋の門」監督◇松尾スズキ
 自称漫画芸術家の「門」は石で漫画を描いている(標本のように箱に石を
 詰めたモノ)が勿論売れた事はない。そんな彼が運命的な出会いをしたの
 はOLでありながら同人誌の漫画を描くアニメヲタクのコスプレイヤー、恋
 乃。ピカイチの助演女優と認識していた酒井若菜が堂々たる主演女優とし
 て画面に降臨した!又「下妻物語」と肩を並べそうなくだらない面白さが
 満杯。本来はマイナーな映画でそういった自由感溢れた作り方が劇場に客
 を呼んだのだろう。大竹しのぶ、市川染五郎、小島聖など豪華ゲストが楽
 しい。劇中のアニメ「ギバレンガー」を作ったのは庵野秀明。酒井若菜の
 可愛くおバカでキュートな魅力が画面に広がる。忌野清志郎の歌が最高。



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